SEASONAL
JOURNAL
WINTER 2025

長楽館マイスター 長楽館マイスター

CHOURAKUKAN LEGACY

装飾

長楽館マイスター

長楽館マイスターは、2025年より始まった、ホテル長楽館の新たな制度です。
長楽館(旧村井家別邸)の歴史や建築の特徴、創設者・村井吉兵衛の歩み、さらには京都という土地が育んできた文化や祭事まで──。この場所に宿る多層的な物語を深く理解し、その魅力を正しく伝えることができるスタッフを認定することを目的としています。

自分たちが日々働くこの場所が、いかに長い時間をかけて受け継がれてきた存在であるのか。
まずはスタッフ自身が知り、感じ、好きになること。そして、その想いをお客様へと手渡していくこと。
長楽館マイスター制度は、そうした思いから生まれました。
マイスターのための試験 マイスターのための試験
Feature 1
マイスターのための試験

マイスター試験は100問に及ぶ筆記試験によって行われます。
出題内容は、創設者・村井吉兵衛の人物像や事業の歩み、本館である長楽館(旧村井家別邸)の建築的特徴と歴史、現在のホテル長楽館としての歩み、そして京都の環境や年中行事にまで及びます。

たとえば、村井吉兵衛が「煙草王」と称された実業家であったことは知られていても、村井財閥をどのように築き、たばこ産業の国営化後にどのような事業へと歩みを進めたのか、その志や思想までを知る機会は決して多くありません。
こうした背景を丁寧に学び、理解することが、長楽館の物語を語り継ぐ土台となります。

マイスター認定証 マイスター認定証
Feature 2
マイスター認定証

試験の正答率に応じて「マイスター」、その中でもとりわけ優れたスタッフは「グランドマイスター」として認定されます。
合格者には、その証として専用のピンバッジが贈られます。

このバッジは、知識の量を誇るためのものではありません。
長楽館という建物について、私たちが把握している事実は決して多くはなく、いまなお建物そのものが語りかけてくる痕跡や、残された歴史資料を手がかりに、調査と理解を重ねているさなかです。

だからこそ、マイスター認定は「すべてを知り尽くした証」ではなく、この場所と向き合い、学び続け、語り継いでいく姿勢を託された証でもあります。

館内でこのピンバッジを身につけたスタッフを見かけた際には、どうぞお気軽に長楽館についてご質問ください。
確定した史実だけでなく、調べ、考え、受け継ごうとしている「今の物語」も含めて、この建物の魅力をお伝えします。

Feature 3
歴史を語り継ぐために

2024年、長楽館(旧村井家別邸)は国の重要文化財に指定されました。
建物は、ただ保存されるだけではなく、人の記憶と言葉によって生き続けていきます。エピソードを知り、誰かに伝えたいと思い、語り続けていくこと。その積み重ねこそが、歴史的建造物を未来へとつなぐ力になると、私たちは考えています。

長楽館マイスター制度は、歴史を守るための制度であると同時に、歴史を「今」に生かすための取り組みです。
この場所に流れる時間と物語が、訪れた皆様の記憶に静かに残るように、ホテル長楽館ではこれからも歴史を語り継いでいきます。