



「迎賓の間」は、かつての賓客をもてなす空間として設えられ、現在はアフタヌーンティーやご宿泊者の朝食専用のお部屋として使用されています。
室内に配されたテーブルや椅子、ソファの多くは建物とともに附指定を受けた家具です。なかには明治の創建当初からこの「ドローイングルーム」で実際に使用されてきたものも。
曲線を基調としたシャンデリアや漆喰彫刻等、ロココ様式の意匠が特徴の一室で使用されていた家具もまた、ロココ様式の繊細で華やかな造りものです。お部屋に合わせた家具が空間を形づくり、迎賓の間に漂う優美な品格をいっそう際立たせています。100年以上の時を経てなお、同じ調度品がこの部屋でお客様を迎え続けていることは、長楽館ならではの特別な魅力です。
マントルピース前に置かれた磨き上げられたテーブルや肘掛け椅子は、いずれも附指定を受けた家具です。ガラスの上にティースタンドやカトラリーが並び、窓辺から差し込む柔らかな光が室内を包みます。歴史を感じる空間の中で、ゆったりとお茶の時間を過ごしていただけます。



「迎賓の間」には、実は長楽館の創設者・村井吉兵衛が使用していた書斎机も設えられています。
現在は、カトラリーやソーサーなどを収納するサービステーブルとして活用されており、日々アフタヌーンティーの場を支える現役の家具です。堅牢な造りと繊細な装飾を併せ持つその机はお客様をもてなす空間の一部として息づいています。
こちらの机も建物とともに附指定を受けており、明治期の家具づくりの確かさを今に伝えています。